(2025年・燈風出版)
村の掟、一族の掟、組織の掟、瞽女の掟、学校の掟、集団の掟など、現存しないあらゆる「掟」を紹介した一冊。理不尽、窮屈、時代錯誤、果てには恐怖を感じる一方、集団を守るための必要性、必要とさせた時代、世の中への憂いが湧いてくる。
この一冊の掟を前にして、混乱しているのはなぜだろう―。
掟収集家、曾根良助(そね・りょうすけ、1948-2010)のあとがきは必読
。
あとがきより一部抜粋
「いつの間にか僕は、集団の中で生まれた、今の時代では理不尽な【受動的掟】ばかりを集めていた。同時に、その掟の下で暮らし、生きた人々、個人の境遇や思いに心は飛んでいた。収集し、書籍化にあたっての諸々の作業と向き合っているとはじめの頃は辛いのだけれど、徐々に感覚がマヒしていく自分が現れてくる。ふと、我に返るとゾッとして、その感覚に恐怖、不気味さを感じる。そして、作業から日常に戻ると、申し訳ないが今の境遇に感謝の念が湧いてくる。でもある瞬間に、『あれ、今の僕も実は掟の囲いの中にあるのに、気付かず生きていたとしたら…』と頭に浮かび、恐怖に襲われることがある。そちらの恐怖の方が生々しくて、変な汗が出る」